長野の3館と問いから始める
5月8日、長野のホクト文化ホールへ。この法人が東京に拠点を設けてから初めて、長野へ日帰りで訪問しました。新幹線で1時間半。たったそれだけの話ですが、「日帰りでいける」という感覚は、想像していた以上に大きなものでした。移動の負担が減ると、関わり方そのものが変わる。そのことを、足を踏み出す前から実感した1日でした。
今年度の文化庁事業でご一緒する長野県内3館(ホクト文化ホール、伊那文化会館、キッセイ文化ホール)のスタッフが集まり、キックオフミーティングでヒアリングを行いました。ヒアリングのテーマの1つは「障害のある方を受け入れる上で、何が壁になっているか」。率直に意見を出し合う時間になりました。
出てきた言葉は、「知識や情報が足りない」「ハード面の制約がある」「当事者と話す機会がない」など、多くの劇場が共通して抱える課題でした。そのなかで、特に印象に残ったのがホクトの町田さんの言葉です。「一番の障壁は、特別なことをやらなければならないという意識が自分の中にあること」。個人的な体験を交えながら話してくれたその言葉は、この事業が目指す場所を、改めてはっきりとさせてくれました。
後半は、9月に開催される公演を対象とした事業計画の打ち合わせ。ダンスと音楽が交差するこの作品に、どんな鑑賞支援を設計できるか。視覚障害のある方や聴覚障害のある方が、どうすればその体験のなかに入れるか。3館のスタッフと一緒に、これから考えていきます。
「特別なことをやる」のではなく、「当たり前のことを積み重ねる」。その感覚を、長野の3館と共有できた1日でした。
